2009-04-09

実験村のミニ・シンポジウムに参加してきました

4月最初の週末、東京ではちょうど桜が満開だったのでお花見を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。

わたしたちAPLA事務局スタッフ3人は、ちょっとだけ足を伸ばして成田に行ってきました。でも目的はお花見でも、成田山参拝でもなく、成田空港(の中心)で愛をさけぶ!モトイ、貧困や農について語り合うこと。
それというのも、APLA理事の大野和興さんが共同代表をつとめる
「地球的課題の実験村(通称:実験村)」のシンポジウムと年次寄合があり、参加させてもらうことになったからです。

1日目のミニ・シンポジウムのテーマは「まちの困民・むらの困民PARTⅡ~百姓の復権」。ここでいう「百姓」とは「自分が生きていくための力をもつ人間」のことと聞き、まずグッときてしまいました。まちとむら、まちの中、むらの中、ありとあらゆる場所で分業化が進み、それと同時に人間関係も分断されてしまったのが、現在この社会を覆い尽くしている「貧困」の原因のひとつ。そうであるならば、「百姓」が復権し、つながり、力を合わせて自立した場(仕事、社会運動、暮らし)を再び創りだしていくことが、求められているのではないか・・・。まちとむらからの3人のゲストの方が、それぞれの体験から心に響く言葉を紡ぎだしてくれた2時間半。その内容を一言でまとめることは最初から放棄していますが(苦笑)、こころに一番残ったのはそういう話でした。

その後は、文字通り“成田空港の中心”に位置する木の根ペンションに移動しての交流会。空港外周道路のトンネルとトンネルの間、監視ポストが立つ坂道を入るとなんとも愛くるしいペンションが目の前に。これがウワサの木の根ペンション!と少し興奮するも、鉄製のフェンスのすぐ向こう側の誘導路を動く飛行機を見て複雑な気持ちに。海外に行く際には何気なく利用してきた成田空港ですが、初めて反対側からその姿を見つめて、色々な思いが胸をよぎりました。交流会では、地元三里塚の野菜をつかったお料理と房総の伝統的な花寿司(上の写真)がふるまわれ、その美味しさについつい食べ過ぎてしまったのはわたしだけではないはず!実験村の村民の皆さんとの会話にも花が咲き、長い夜は更けていきました。

実験村のプロジェクトのひとつである「北総台地夕立計画」として、村民のみなさんが手入れをし、森づくりをしている「夕立の森」が2日目の寄合の会場でした(左の写真)。木の根ペンションから空港の脇を歩くこと約20分。ウグイスの声が響きわたり、心地よい風が吹く森の一角で、丸太の椅子に腰掛けての寄合です。離着陸する飛行機の耳をつんざくような騒音、それをのぞけば空港の近くにいるということは忘れてしまうような、そんな素敵な時間を過ごすことができました。

最後にAPLA事務局から告知です。実は、今回わたしたちが成田にお邪魔したもうひとつの目的は、5月に開催予定の第一回APLAフォーラムの下見と打ち合わせでした。実験村のみなさんの全面的なご協力を得て、ただいまフォーラムの準備にとりかかっています。フォーラム以外にも、三里塚ならでは!の企画を練っているところです。詳細が決まり次第、APLAホームページでお知らせをしますので、どうぞご期待ください。

投稿:のがわ