2012-01-27

お話会・第2回終了しました。

2012年1月21日(土)、 APLAお話会『いまこそAct Locally, Think globally~トランジションタウンとフェアトレードの取り組みから~』 を開催しました。

日本が、世界が、追い求めてきた「近代化」「経済成長」。その先に”豊かな暮らし”があると信じられてきました。しかし、震災後その価値観が根底から問い直されている今、そのオルタナティブを真剣に考えるきっかけになるとっても充実したイベントになりました!

*****

参加者10人がまず向かったのは、「エコアパート」です。

エコアパートとは??
⇒自然の力を活用し、自然とともに暮らすことを目指したアパート。

今回訪問したエコアパートは、足立区六町というところにある花園荘です。

共有スペースには職人さんがつくったピザ焼き窯も。
花園荘は、メゾネットタイプ。イメージとしては現代風町屋?
このエコアパートを訪問させていただいて、生活のいたるところに工夫が凝らされていることが分かりました。

*太陽の力で冬は暖か
屋根で集めた太陽の熱を床の下に送るシステムのおかげで部屋の中はポカポカ!
窓も太陽の光を部屋の中に多く取り入れることが出来るように設計されていました!

*風の力で夏はさわやか
家の中を風がうまく流れるように設計されているため、夏は快適だそうです!
また、タンクにたまった雨水を打ち水に利用!
今日訪問させていただいた部屋に住んでいる押野さんは、去年の夏は一度もクーラーをつけずに過ごすことが出来たそうです。驚きですよね!

*木の力で部屋の空気がきれい
ヒノキでつくられた床に階段に壁、とっても贅沢な造りですよね~。ヒノキのおかげで、部屋の空気がとってもフレッシュなんです。部屋の空気が乾燥気味の時は、ヒノキが適度な湿気を出してくれて、逆に、部屋の空気がじめじめの時は、余分な湿気をヒノキが吸い取ってくれるそうです。木の力、恐るべし!部屋の中に居るだけで、まるで森林浴しているような心地よさでした。

*土の力で美味しい野菜get
家には庭が付いています。
リビングから庭が一望できるので、リラックスできるとか!
それだけでなく、美味しい野菜がたくさん採れるそうです!ここで野菜を作るようになってから、特に葉物類の野菜はスーパーで買わなくても済むようになったそうです。
買い物の出費は減るし、無農薬の美味しい野菜を食べられるし、作物を育てる楽しさを味わえるし、車でスーパーに行く回数が減って二酸化炭素削減にもなるし、いいことだらけ。

エコアパートは、環境に優しいだけでなく、実は人にも優しい仕組みになっています!
共同スペースには、ブドウ、キウイ、レモン、その他様々なハーブなどが育てられていて、日頃、同じアパートで暮らす住人同士が気軽に集まって、一緒に食事をして、語り合って・・・という場になっているとのこと。そういう時間があることでコミュニケーションが深まり、お互いに困っている時に助け合いながら生活していくことを可能にしているそうです。

エコアパートについてもっと知りたい方は、花園荘のブログ『畑がついてるエコアパートをつくろう』(自然食通信社刊)をご覧くださいね。

*****

エコアパートの訪問を終えた私たちが次に向かったのは、台東区入谷にあるiriya plus cafeというカフェです。

ここでは、今回のお話手の押野美穂さん(NOAH'S CAFE)と共に、経済を最優先に考え営まれてきた今の社会に変わるオルタナティブな社会の在り方について考えました。今回出てきた2つのテーマについて。

*”地力”を高めて危機を乗り越えよう
トランジションタウンとは、
『地域の力で、持続可能なまちへ移行することを目指した活動』です。私は、恥ずかしながら今回初めて知りました。
資源を浪費し、経済成長を追い求める近代以降の産業社会が、このままでは持続不可能であるという現実を素直に受け入れ、暮らしを緩やかにスローダウンさせることで、持続可能な未来を創っていくことを目指しているそうです。
イギリスで始まったこの運動は、メンバーが3人集まれば自分の地域にトラジションタウンを立ち上げることが出来るという手軽さも手伝って、日本でもじわじわと広がってきているそうです!
詳しい活動内容を知りたい方は、NPO法人トランジション・ジャパンをご覧になってみて下さい。

*私たちの暮らしと世界のつながりにも目を向けよう
フェアトレードとは、
『貧困のない公正な社会をつくるための、対話と透明性、互いの敬意に基づいた、貿易によるパートナーシップ』と定義されています。
フェアトレードで大切なことについて話し合っていた時に、こんな報告がありました!
日本で売れているあるフェアトレード商品があります。もっと生産すればよいのではないかと日本スタッフが現地の生産者に提案したそうです。しかし・・・・「今ぐらいのペースが私たちにはちょうどいい。これ以上忙しくなることをだれも望んでないんです」と生産者の方がおっしゃったそうです。
フェアトレード商品がどんどん市場に流通するようになればいいと思っていた私。
一概にそういうわけでもないのだと気がつきました。
大切なのは、地域のコミュニティに根付いた人間らしい豊かな暮らしと共に生きるということなのではないかと思います。

*****

今回のお話会のタイトルでもある“Act Locally, Think globally”

今回のイベントでお世話になった押野さんは、この言葉を、“つながりの中で生きる”と理解されていましたが、私も、なるほど!!っと思いました。

私たちは、人、自然、他のすべての生物、時間とのつながりの中で生きています。そのつながりに目を向け、想いを向け、行動にあらわしていくことで、社会をよりよい方向に変えていくことが出来るのではないかと思います。

報告:インターン藤原