2009-03-04

縁を紡いで

APLA発行の機関誌『ハリーナ』の表紙には毎回アジアのテキスタイルが採用されていますが、ここにはもうひとつの一貫したテーマがあります。それは布にまつわるストーリーがあること。どんな織物にも地域の中で親から子へと受け継がれた長い長い歴史が、願いや思いを込めた女性たちの手によって一緒につむがれているものです。これまで発行したハリーナの表紙に使われた織物にも、それぞれの物語がありました(ハリーナの既刊でご覧になれます)。そう、ハリーナの表紙はただの布ではないのです!

ところで。
先月のことになりますが、布と布にまつわるお話を持っている方を求めてあるお宅を訪問しました。
外観はどこにでもある団地なのに、一歩足を踏み入れるとわぁすてき!置物も家具も壁紙も、アジアンチックだけどとても落ち着く色合いで統一され、何とも居心地のいいお宅なのです。こんなおウチに住めたらさぞかし家に帰るのが楽しいことだろうなぁ!住めば都といえどウチなんて…としょんぼりもしましたが、帰ればやはり都は都。私に似合いの都が冷気を湛えて待っていたわけで…。
とまぁそれは置いといて、アジアのいろんな国々の織物を持っているその方は、織物への深い知識と一緒に自分の目で見て触って感じたことを聞かせてくれました。コーヒーとお菓子をいただきながら、時間を忘れて長居をしてしまうほど本当に素敵な時間を過ごせました。

お借りした布はそのうちハリーナの表紙に登場する予定です。
ハリーナを手に取る機会があれば、あ、これかな?なんて思い出していただけると幸い。


投稿:まつだ